「キャスト」の呼び名に込められた 人間中心の歯科サービス哲学

Series:歯科経営者インタビュー

医療法人 秀暖会
タケスエ歯科医院

理事長

武居 純

Jun Takesue

※この記事は、2016年7月発行のD RECRUITING JOURNAL
に掲載されたものです。
先代から経営を継承したのは?
2010年です。その6年前から勤務医として働いていましたが、現在の場所に医院を移転させることを契機に、経営のバトンを受け継ぎました。父の代から当院は完全自費診療のスタイル。これからの時代に合わせてさらにそこを突き詰めていくには、私がボストンで経験して得た知見が生きると考え、医院のキャリアに私のキャリアを上書きする発想でスタートしました。
マネジメントにはあまり困らなかった?
まさか(笑)。苦労はありました。私の代になって現場に一番顕著な変化をもたらしたことは、インフォームドコンセントという考え方とその実現に伴う各種作業です。契約社会であるアメリカ。そこで叩き込まれたインフォームドコンセントの実務は、一つの診療内容に何枚もの契約書が存在するような世界です。患者さんとの信頼関係だけを前提に口約束で済ませられた環境からすると、「余計な」仕事が増えたことになります。
ついていけないスタッフも出てきた?
いえ。彼女たちとの誠実な対話は必要でしたが、職務内容の変化を理由に去っていくスタッフはいませんでした。私が打ち出した方針は、患者さんの満足や納得につながることです。当院のスタッフには、それを実現するための環境変化に応じていく気概と真摯さが備わっていました。私は彼女たちをリスペクトしています。
自身の代になってからの採用活動は?
代替わりした2010年に、早速2名の衛生士を採用しました。当院に患者として通院していた衛生士学校の新卒学生をまずはスカウト。その子にリクルーターになってもらい学友に声をかけさせたところ、さらにもう一人を採用することができました。スカウトで採用した衛生士学生を高く評価しており、この子の友人ならば同じように期待できるのでは?と考えた上での行動です。
人材評価の指標は?
自然な笑顔、愛嬌、明るさです。私見ですが、これらは鍛えて変えられるものではないと考えています。そして、歯科スタッフに求められる最重要の資質だとも考えています。歯科医院を訪れる方の多くは、アンハッピーな精神状態にいる患者さんです。そんな方を励まし、優しさをもって接し、明るくしてあげられる人がいる場所でなければ、またもう一度来ようとは感じてもらえないからです。
スタッフをキャストと呼ぶのもその考えの表れ?
その通りです。歯科医院は、スタッフがすべてです。だから、スタッフにもその自覚をもって自らの見られ方を意識してもらいたい。診療室内を歩いているとき、事務作業をしているとき、スタッフ同士で会話しているとき、すべてが歯科の評価にかかわってきます。ゆえにキャスト。だから素晴らしい才能との出会いに、いつも期待してしまうんです。
PROFILE
1968年神奈川県生まれ/1994年東京歯科大学歯学部卒業/同年より渡米、ボストン大学大学院補綴科に在籍/2000年に帰国し、以後4年間、複数の開業医の下で経験を積む/2004年タケスエ歯科医院入職/2010年同院院長および法人理事長就任/2012年より横浜歯科臨床座談会代表

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