歯科基準ではなく社会基準 患者様と視界を共有する人材戦略

Series:歯科経営者インタビュー

医療法人RAISE
デンタルクリニックK

理事長・医学博士

齊藤 圭

Kei Saito

※この記事は、2016年11月発行のD RECRUITING JOURNAL
に掲載されたものです。
歯科医師の道を志したきっかけは?
私はサラリーマンの家庭に育ち、歯科医師の家系ではありません。高校時代はバレーボールの強豪校で練習に明け暮れる日々を送っていました。いざその先の進路を考えたとき、バレーボールで生計を立てることは望むべくもなく、恩師である監督に相談したところ「サラリーマンには向いていない、自営できる職業がいいのでは」と。細かい作業が好きだという自覚もあり、歯学部進学を決めました。
その後、独特なキャリアを描いてきたのは?
歯学部に進学し歯科の実態を知るにつれ、この業界に人生を投じるだけの価値を見出すことが難しいと感じていました。もっとずっしりとくる仕事、身を削って社会を背負うような仕事がしたいと考え、選択したのが警察の研究所で働く研究員の職。しかし、官僚組織の実態に直面し、また私的にも難しい局面を迎え、あらためてそれからの職業人生を見つめ直すことになりました。
歯科への情熱をどう取り戻した?
ないのなら、自分で作ればいい。今あるものに迎合するのではなく、あるべき歯科の姿を自分自身で実現すればいい。その使命感が芽生えずっしりと心に宿り、やっとやるべきことが見えた思いでした。歯科業界側から語られる独りよがりの歯科治療ではなく、一般社会に評価され信頼される歯科医療。それを提供できる歯科医院経営者になろうと決めました。
開業時のスタッフ構成は?
求人をかけて採用した衛生士1名と受付・助手2名です。おかげさまで順調に患者様は増えていき、開業半年後にはスタッフを増員しました。増患という点では順調でしたが、人材マネジメントには苦労しました。患者さんが増え忙しさも増し、仕事の内容も濃くなっていくと、その環境の変化についてきてくれないスタッフが出てきました。
マネジメント課題をどう乗り越えた?
目標や価値の共有には、制度が必要だと気づかされました。経営理念を日常の細部のシーンに落とし込んだガイドライン、マニュアル、人事考課制度をつくり、具体的な行動規範を可視化してマネジメントに取り込みました。特に、人事考課制度は特徴的です。3つの評価領域を設定し、業績評価、能力評価に加えて、社会人評価という視座を持ち込みました。
その意図は?
社会人は、自分ではなく他人の価値観によって評価され、それで自分の価値が決まるという世界に生きています。患者様は一般社会に暮らす人であって、歯科業界の住人ではありません。患者様の、すなわち一般社会の常識に照らされた中で、私たちの歯科医療は理解され必要とされなければなりません。患者様の視界を意識した言動や行動こそスタッフに常に求める姿勢であり、当法人の行動原理でもあります。
PROFILE
1972年東京都生まれ/1998年昭和大学歯学部卒業、同大学院医学部医学研究科博士課程修了/2001年科学警察研究所法科学第一部法医第一研究室入職/2003年医療法人社団博裕会コルトンプラザ歯科医院入職、分院長就任/2006年デンタルクリニックK開業、2013年法人化

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