勤務を開始して驚いたのは、とにかく私の知っている日本の歯科医院とはあり方がまるで違うということ。時間内にすべてのことが終わる、完全予約制、待合室に患者さんがいない、一人の患者さんにかける時間が長い、一日の患者数も日によっては午前中に2人、午後に1人とか。「アシスタント業務でさえゆっくりできる!」。
その後、ハワイで出会った人と結婚。これからこの地で生きていくのだと考えたときに、「こっちの歯科衛生士の資格を取ってみては?」と知人からも勧められ、ハワイ大学看護学部歯科衛生士学科に入学することを決めました。当時、本学の歯科衛生士学科を過去に卒業した日本人の実績はゼロ。噂以上にアメリカの大学での勉強はハードで、毎朝3時に起床して勉強と実習。帰宅するのは夜の9時。厳しい生活でしたが、諦めてはいけないと思いました。日本人第1号としての修学を応援してくれた人たちの思いに報いたい、そして今後私に続いていくかもしれない未来の日本人歯科衛生士たちの道を閉ざしてはいけないという気持ちがあったからだと思います。