賞与を支給した翌日に退職したいと言われた。賞与を全額返せと言える?

※この記事は、2016年7月発行のD RECRUITING JOURNAL
に掲載されたものです。
賞与を支給した翌日に退職したいと言われた。賞与を全額返せと言える?
言えないと考えておいた方がよさそうです。

「賞与後は転職活動が活発になるので、今求人を出すと期待できますよ」というのが求人広告業者の常套句。事実、労働市場にはそのような動きがあります。つまり、多くの歯科医院が賞与支給後に退職を申告してくる衛生士に悩まされています。

今回の質問についてですが、返還を請求できるか否かは貴院の賞与支給規定に基づいて判断するのが原則です。ただし、一般的に規定は支給日以前の在籍期間や支給日における在籍事実に依存した支給要件を伴うものが多く、支給後の要件によって全額または一部の返還を請求できるとすることは、賃金全額払い(労基24条)の原則との関係もあり、判断が難しいところでもあります。
退職予定者に支給する賞与を僅少なものとすることを違法とした判例もあります。「賞与は取り戻せないもの」と覚悟して経営されることが得策かと思われます。

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