もっと知りたい。

瞳に吸い込まれそうになる。まっすぐで深い。その瞳に輝きが増したのは、話題が国会傍聴に移ったとき。
「スイスで16歳まで過ごしましたが、友だちとの会話の中には政治や社会に関する話題が上ることもありました。ところが日本では、毎日マスコミで報道されているにも関わらず、そういったことが普段の会話にはなかなか出てこない。まるで異空間の出来事のような扱いになっていることに驚き、なぜなのだろう？ と疑問を抱きました」。日本の大学に通っていた彼女は、周囲の友人にこの疑問をぶつけた。しかし、返ってくる言葉は〝興味を持っても仕方がない〞〝政治家は嘘つき〞といった、真偽の明らかでない曖昧でネガティブなものばかり。「実情を知らないで『ふーん、そうなんだ』と簡単に納得するのは、ちょっと違うなと。だから国会に行ってみよう、この目で見て確かめようと思ったんです」。

スイスでも体験したことがなかった国会傍聴。それは、彼女にとってとてもインパクトのある経験となった。「こう言っては不謹慎かもしれませんが、まるで舞台を観ているような感覚でした。それまでも時々テレビで国会中継を見ることはありました。でも、それはテレビカメラがフォーカスした狭い範囲だけ。生で見ると、画面には映らないところで議員さんたちがやじを飛ばしていたり、誰かと誰かが話していたり、国会という空間で繰り広げられているドラマの全体を見ることができたんです。それがもう新鮮で！ また、議員さんたちの人間らしい素顔を垣間見ることもでき、彼らは、決して遠くにある存在ではないんだなと感じました」。

国会傍聴に味を占めた彼女は、街頭演説の傍聴にもハマっていく。「上手なスピーチを生で聴けるのはもちろんのこと、どんな人がどのようにして人々を魅了していくのか、すごく勉強になる。だから、時間を作ってはできるかぎり全国各地に足を運び、話を聞くようにしています」。決して、特定の政治家の主張を誰かに伝えたいというわけではない。政治の世界を知れば知るほど、そこに登場する社会のさまざまな事象と人々のあり方に出会い、それが自らの世界観を広げていく。静かな歓喜は、〝もっと知りたい〞と彼女を突き動かす。「もしかしたら、将来の教科書に載るような歴史的瞬間を目撃できるかもしれない。例えば、今年選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初めての参議院選が実施されますが、『私、改正案が可決した瞬間を見ました！』って10年後に自慢できそうじゃないですか」。

自ら望み日本にやってきてから8年がたつ。当時は読めなかった〝空気〞も「少しは読めるようになってきました」という。彼女の好奇心は、まだまだ止まりそうもない。

“歯”にまつわるエトセトラ春香クリスティーンさんに質問！

歯科に対しどんな印象を持っていますか？

歯医者、結構好きですよ。小学生のとき、年に1回ではありましたが学校に「歯磨きおばさん」みたいな方？ がいらっしゃって、私たちは歯の磨き方を習ったり、歯に優しいおやつを当てるクイズを楽しんだりしていました。

幼少時代、歯科に通った思い出は？

矯正をしていたので1週間に一度は通っていました。スイスの歯医者では、予約しているにも関わらず、患者が待合室で30分から1時間待たされることもしばしば。壁に貼りだされていた虫歯予防を啓蒙するマンガや写真を眺めながら待ってました。

最近歯科で受診した診療内容は？

定期的に通って虫歯があるかどうかチェックしてもらったり、クリーニングやホワイトニングも受けます。現在通っているクリニックは、自分でインターネットで検索して見つけました。とても気に入っています。

通う歯医者を選ぶポイントは？

まずは清潔であるかどうかが気になりますよね。あとは信頼できる先生なのかどうか。自分の歯について何が起こっているのか知りたいですから、疑問に対して一つひとつ丁寧に説明してくれると「信頼できる！」って思えます。

医療施設経営についてアドバイスがあるとすれば？

日本の方は、病状にあわせて複数の病院に通われているようなイメージがあります。その人のことをある程度総合的にわかってくれているハウスドクターみたいなお医者さんが身近にいるといいなとは思いますね。

PROFILE

1992年生まれ。スイスのチューリッヒ出身。日本人の父と、スイス人の母を持つハーフタレント。日本語、英語、ドイツ語、フランス語を操る。趣味は国会議員の追っかけ、国会議事堂のグッズ集めという熱心な政治ファン。2013年には政治に関する著書も出版している。語学力を生かしたものまねレパートリーも豊富で、現在はテレビのバラエティ番組のほか、ラジオや舞台でも活躍中。

この記事につけられたタグ：

• 著名人に聞く！歯の話